換気扇の掃除はあまりやりたいことではありません。換気扇を気にしている人でも、年に1・2度しかお手入れしないという方が多いのではないでしょうか。しかし、換気扇の掃除をしないと、電気代が余分に必要になったり、故障して修理が必要になったりすることもあります。
今回は自分で簡単にできる換気扇の掃除方法をご紹介します。また、頑固な汚れを落とすコツや身近にあるものを使用して掃除する方法もお伝えしていきます。
換気扇の基本的なお手入れ方法
みなさんは換気扇をどのように掃除しますか?「フィルターは掃除するけど、なかなかファンまでは掃除しない」という方が多いかと思います。
そこで、換気扇の基本的なお手入れ方法ご紹介します。しっかり掃除方法をマスターしてピカピカに変身させましょう。
1、汚れてもいい服装や道具を用意する
換気扇の掃除するときには以下のものを用意します。換気扇は油汚れなどで汚れがなかなか取れなくなる場合があります。そのため、汚れてもよい服装や使用後に捨ててもよい道具を用意しましょう。
- ゴム手袋(厚手のもの)
- 新聞紙(汚れ防止や、掃除時に拭ったり擦ったりする)
- スポンジ
- 雑巾や布
- 不要な歯ブラシ
- 割りばし
- 換気扇用や油汚れ用の洗剤
2、換気扇の電源・ブレーカを落とす
換気扇を掃除しているとき、何かがあたって換気扇の電源が入ってしまうと危険です。ほかにも、最近の換気扇はコンロが作動したと感知すると自動で作動するものがあります。
清掃中に稼働してしまうと落下やケガの原因になりかねませんので、換気扇の電源を切り、ブレーカーも落とすようにしましょう。あわせて、ボタンに触れてコンロが作動しないように作動ロックをかけておくと安心です。
3、 整流板・フィルター・ファンを外す
整流板・フィルター・ファンを順に外す工程をご紹介します。
換気扇の形によってファンの種類が異なります。昔からよく目にするプロペラが回るプロペラファンタイプ。そして、最近の住宅では多く使用されているレンジフードと呼ばれるシロッコファンタイプがあります。それぞれの工程を見ていきましょう。
① 整流板・フィルターを外す
換気扇の整流板は左右のストッパーを押しながら少し上にあげると外れます。ゆっくりと手前におろしましょう。すると、フィルターが見えます。スライド式だったり、留め具がついていたりすることがあります。留め具がある場合はドライバーなどを使用して外しましょう。
② ファンを外す
ファンも簡単に外せるものや、留め具で固定されているものなどがあります。固定されている場合は留め具を外し、ねじを外してファンを取り出します。ファンを固定しているねじは、ファンの中心にあります。ネジは多くの場合「しまる」「ゆるむ」など回す方向がかかれているはずです。指示に従って取りはずしましょう。
① 固定されているねじを外す
プロペラが止まっていることを確認してから、中央にあるねじをゆるむ方向にまわしてはずします。
② ファンを外す
ねじがゆるんだら、ファンを引き抜いて外します。この時に力を入れすぎるとファンが変形してしまうので、注意しましょう。
③ 換気扇のカバーも外す
ファンのカバーも外しましょう。取り付けるときは外した時の逆の作業をします。
4、お掃除をする
整流板・フィルター・ファンなどが外れたら、取り外した部品を掃除していきます。掃除方法を見ていきましょう。
① 洗剤をつける
外した清流板・フィルター・ファンをシンクの中に入れ、全体的に洗剤をつけます。レンジ用の洗剤も販売されており、それを使用するとよりキレイになるのでおすすめです。洗剤をつけたら、2~3分放置しておくと、汚れが浮いてきます。汚れが落ちにくいようであればつけ置き時間を増やしましょう。
② 汚れをふき取る
少し置いたら、汚れが浮いてきているので雑巾や布でふき取ります。
③ 水洗いする
汚れをふき取ったら、最後に水洗いをしてよく乾燥させます。シロッコファンはとくに乾きにくいので、風通りの良い場所に置いて乾かしましょう。汚れがひどい場合は、数回この作業を繰り返してください。油汚れやべとべとした感じは数回洗剤をつけて水洗いする作業を繰り返すことでキレイに取れるでしょう。
レンジフードには、外せない部分があります。そこは、直接洗剤を汚れている部分につけるのではなく、布や雑巾につけてからふき取りましょう。直接散布してしまうと、水分に当たってはいけない部分にかかってしまうことがあります。
汚れがとれたら、水拭きをして終了です。水拭きするときには、洗剤をつけた布や雑巾とは違う布や雑巾を使用しましょう。汚れが再度付着するのを防ぎます。
5、フィルター交換をする
換気扇のフィルターは、換気扇に直接油汚れが付着するのを防止するために設置されています。そのため、フィルターは一番汚れが集中しやすい箇所といえます。どんなに掃除しても汚れがとれなくなったり、すぐに汚れるようであればフィルターを交換する必要があります。
フィルターの交換はある程度費用がかかってしまうので、長く使用したいという方もいるでしょう。しかし、フィルターが汚れていると換気扇の吸い込み力が弱まってしまい、部屋中に油の粒子が混じってしまうことがあります。そうなると、キッチン回りの床や壁がべたべたしてしまうこともあるので、掃除がさらに必要となってしまいます。
また、フィルターにびっしりとついた汚れは匂いを放ち、健康にも影響を及ぼす可能性があります。そのため、あまりにも長く使用することはおすすめできません。フィルターが汚れてきて、換気扇の吸い込みも悪いなと感じたら交換しましょう。
交換目安は、よく油料理をする場合は1か月ほどです。油料理が少ない場合でも3~4か月ほどで交換することをおすすめします。
換気扇お手入れのコツ
長年使用している換気扇には、頑固な油汚れが付着してしまい、なかなか取れず困っている人もいるかと思います。そこで、なかなか取れない換気扇の油汚れをキレイにするコツをご紹介します。このコツを活用して汚れをキレイにしましょう。
頑固な油汚れには「つけおき」が基本
油汚れは長年にわたって付着してしまったものが多く、短期間の清掃では落ちないことも多いです。そこで、「つけおき」をすることをおすすめします。
その方法はとても簡単で、キッチンペーパーやティッシュペーパーに洗剤を染み込ませて貼りつけて置いたり、洗剤につけおきしておいたりするだけです。時間を置くことで汚れが浮いて取れやすくなります。
シロッコファンの場合は、割り箸を使用して羽と羽の隙間に洗剤を染み込ませたティッシュペーパーは挟み込むのも効果的です。
強力な汚れには身近にある物でも落とせる
より頑固な汚れには洗剤の他に身近にあるものを使用してみましょう。詳しい掃除方法をご紹介します。
重曹や炭酸ソーダを使用することで、汚れをより浮かせて取ることができる方法です。
- フィルターやシロッコファンなどを取り外します。
- バケツに熱湯と重曹を入れて、炭酸ソーダを作り、その中にフィルターやシロッコファンなどを浸します。一晩そのままつけこみましょう。
- その後、残っている汚れは歯ブラシなどで取り除きます。キッチンペーパーに再度重曹と溶かした水や炭酸ソーダを染み込ませて10分ほどパックするとよりキレイになるでしょう。
- 汚れが取れたら、しっかり水洗いします。
- よく乾燥させて、取り外したフィルターやシロッコファンを元に戻して終了です。
重曹や炭酸ソーダよりもアルカリ性が強いので、より頑固な油汚れを落としたいときにはおすすめです。水に溶けやすいので、水に溶かしてつけおきやスプレーに入れて使用するとよいでしょう。アルカリ性が強いので、必ず手袋を着用して作業します。
セスキ炭酸ソーダのつくり方は、水500ミリリットルに対して小さじ1のセスキ炭酸ソーダを入れてよく混ぜるだけで簡単にできます。100円均一などで購入できるスプレー容器などを使用すれば、そこに直接水とセスキ炭酸ソーダを入れるとつくれるので便利です。
- 汚れ部分にセスキ炭酸ソーダを吹き付け、30分ほど放置します。
- 新聞紙や布などで乾拭きをし、お湯ですすぎ洗いをするか、水拭きをします。
- 取りはずせない部分を掃除するときにはスプレーで拭き掃除をし、外せる部分はつけおきするとよいでしょう。
天ぷらをした日などに油を残しておくて使用するとエコにもなります。手軽にできる方法なのでおすすめです。
- 油がつくとべとべとしてしまうので、ゴム手袋や軍手を必ず着用してから作業をはじめます。
- 汚れを取りたい部分に油をたっぷりと塗ります。新聞紙などを使用するとまんべんなく濡れます。
- ビニール袋に入れて、30分ほどそのままの状態にします。このときに、なるべく温かい部屋に置くと油の働きが活用的になります。なかなか効果がない場合は、シンクにお湯をはって、そこにピニール袋のままつけおきするとさらに効果をえられます。
- 30分ほどたったら、新聞紙や布などで油をふき取りましょう。
- 台所用の洗剤をつけて、お湯ですすぎましょう。
- 汚れの部分に小麦粉をたっぷりとふりかけます。
- ゴム手袋を着用して、汚れにしっかり付着するように広げます。軍手では、小麦粉が隙間に入り込んで取れなくなるので、ゴム手袋をおすすめします。
- 30分ほどそのまま放置します。汚れが小麦粉に吸い取られたら。ゴム手袋でゴシゴシとこすりましょう。ポロポロと小麦粉が取れます。
- 残った小麦粉は、固い紙でこするとキレイに取れます。小麦粉はそのまま流してしまうと、排水溝が詰まることがあるので、なるべく新聞紙などに包んでごみとして捨てましょう。
- 最後に、お湯ですすぎましょう。
換気扇の掃除はなぜ必要?
掃除機を掃除せずにそのまま放置しておくと、換気扇の役目を果たせなくなるだけでなく、汚れに集まるカビや菌が発生する原因にもなります。そのため、半年に1度は掃除をすることがよいとされています。詳しくご紹介します。
掃除しないと油汚れが増え、雑菌の温床に…
換気扇の掃除をしないまま放置していると、油汚れがひどく換気能力が下がってしまいます。そのため、油の粒子が部屋中を舞い、においもこもります。そして、壁や床に付着することでベタベタしてしまうでしょう。
ひどくなると、換気扇から油がしたたれ落ちてくることも。そうなれば、キッチンを汚してしまうことになってしまうので注意が必要です。
そして、溜まった油汚れにはカビや菌が繁殖しやすいです。衛生的にも問題があり、食中毒を起こす可能性もあるので掃除をすることが重要となります。
電気代が余分に発生したり故障に繋がる
換気扇の掃除をしないと油汚れが詰まります。そうなると、換気扇に負荷をかけている状態になり、故障の原因にもなります。故障してしまえば、修理代金などが発生してしまいます。余計なコストがかかってしまうので、掃除することで未然に防ぎましょう。
また、より多くの電力を使用しないと換気能力が発揮できないので、電気代が余分にかかってしまいます。余分なお金がかかるのはもったいないことです。換気扇の掃除をこまめにすることをおすすめします。
まとめ
換気扇の掃除についてここまでご紹介してきました。以下のポイントを確認し、換気扇の掃除方法をマスターしましょう。そして、キレイな状態を保ちましょう。
- 換気扇のお手入れ方法を確認し、掃除のときにはプレーカーを落としてから作業をする。
- 換気扇のフィルターは汚れてきたら交換をすることが重要。
- 頑固な汚れには「つけおき」方法や「身近なもの」を使用してみる。
- 汚れたまま放置しておくと、換気能力が落ち、故障や余分な電気代がかかる原因となる。