これまでは使用できていたのに、ある日突然「異音がするようになった」「挙動がおかしくなった」といった換気扇のトラブル。このようなトラブルは突然起こることが多いですが、原因は長年蓄積されたものであることがほとんどです。
ここでは換気扇トラブルとしてよく挙げられるものをご紹介していきます。それらのトラブルは何が原因で発生するのか、解決するためには何をしたらよいのか、修理・交換の際に注意すべきポイントについて解説していきます。換気扇の異変にお悩みの方はぜひ参考にしてみてください。
換気扇の様子で原因を特定する方法
最近換気扇の様子がいつもと違う、と感じている方は要注意です。放っておくことでその異変は大きくなり、いずれ故障につながってしまう可能性があります。換気扇の異変としてよく挙げられるのが、「異音」「異常な振動音」「吸引力の低下」「異臭」などです。
これらの異変は何が原因で起こるのでしょうか。ここでは換気扇で起こる異変について紹介していきます。
異音がする場合
換気扇から鳴る異音を耳にしたことはありますか?「音の原因はわからないし、直し方もわからないため放置する」という方は要注意です。換気扇から異音が鳴るというのは、危険な状態のサインです。
換気扇から異音が鳴るというのは、部品が故障していたり経年劣化が原因ということが考えられます。そのため、放っておけばいずれ換気扇が故障して使用できなくなってしまいます。
異音の原因として非常に多いのが汚れです。空気を吸い込むため換気扇はホコリが溜まりやすく、異音の原因になります。換気扇の汚れをきれいに掃除することで異音が無くなる場合もありますが、すでに汚れによって部品が損傷し、元通り使用できなくなっているというケースもあります。換気扇を長く使用するために大切なのはこまめな掃除です。
異音にはさまざまな種類があります。
「ゴー」「ブォー」という音
これはホコリなどの汚れ、またカビによってファンやプロペラが重たくなっているサインです。ファンやプロペラが重たくなると回転バランスが崩れてしまうため、このような音が発生します。
「キュキュキュ」「チチチ」という音
このような乾いた音が鳴るときはプロペラやファンの軸のオイル不足が原因です。もともと購入時にはプロペラやファンの軸に潤滑油が塗られています。それによりスムーズに回転することができていましたが、長く使用しているうちに潤滑油が削れていき、オイル不足になりこのような音を引き起こします。
「カラカラ」「カカカ」という音
長く使用しているとこのような異音が鳴ることがあります。この音は長期的に使用することでモーターの軸が変形したり破損したりして鳴る異音です。
また、モーターの軸にホコリがこびりつくことでも鳴ることがあります。軸の破損、ホコリの付着などにより軸がずれてしまうことがあります。軸のずれによりこのような音が鳴り、そのまま使用を続ければ故障につながる可能性もあります。
この場合は掃除やオイルを塗ることでは解決できず、軸の破損を直し、ずれを戻さなければなりません。分解して直そうとすると故障につながる可能性もあります。この場合は業者へ修理・交換を依頼しましょう。
異常な振動音がする場合
換気扇を使用したとき、異常な振動音がすることがありますが、これにはさまざまな原因が考えられます。
- ファンに付着したホコリなどの汚れが原因で回転軸がずれている
- 軸自体が曲がったり破損したりしている
- ネジが緩んでいる
- ファンが故障している
これらの可能性のうち実際には何が原因なのかを特定するためには、分解し直接見て調査する必要があります。しかし、素人の手による分解作業は、故障につながるかもしれないので危険です。かといって放っておけば、換気扇が使えなくなってしまうかもしれません。異常な振動音を確認したときは業者へ調査を依頼するようにしましょう。
吸引力が低下している場合
換気扇を稼働しているはずなのにイマイチ臭いが取れないというときは、汚れやモーターの劣化が考えられます。ファンにホコリが溜まっている場合はファンの働きが低下し、いつも通り空気を吸い込むことができません。そのためトイレの臭いがイマイチ取れないという状況につながるのです。また、モーター自体が劣化している場合にも同じような状態になります。
ホコリなどの汚れの付着はこまめな掃除で対策することができますが、モーターの劣化は長く使用するうえでは仕方がないことです。放っておけば換気扇自体が壊れてしまうかもしれませんので、修理や交換を考えた方がよいでしょう。
異臭が酷い場合
換気扇のトラブルで多いのがこの異臭です。これはファンや換気扇内部に付着した汚れが原因で起こる場合が多いです。付着した汚れにより吸引力が低下し、結果異臭が発生してしまいます。また浴室などに多いのがカビによる異臭です。換気扇内にカビが大量に発生することで嫌な臭いが発生します。
これらは汚れを掃除することで解決できます。重曹やアルカリ性洗剤を使ってきれいにしましょう。
トイレの換気扇がおかしいときは
換気扇では異音や異常振動、吸引力の低下や異臭などさまざまな異変が起こるかもしれません。これらの異変に気が付いたとき、どのような対処をすればよいのでしょうか。ここではトイレの換気扇に異変が起こったときの適切な対処法について紹介していきます。
交換する
換気扇自体に問題がある場合、換気扇の交換をしてしまえば問題は解決します。しかし交換にも費用が掛かりますから、できることなら交換をせずに済ませたい、と思うことでしょう。以下のような症状が見られたら、交換のサインととらえたほうがよいです。
- 内部が破損している
- モーターが劣化している
- モーターの軸がずれている
- 電源が入らない
これらの状態は掃除やオイルなどによって解決することはできません。部品を交換しなければいけない状態ですので業者へ連絡するようにしましょう。
掃除をする
換気扇からの異音、吸引力の低下などは汚れが原因で起こっていることが多いです。換気扇は空気を吸い込むため非常に汚れが付着しやすいです。こまめに掃除しておくに越したことはありませんが、汚れが溜まってしまった状態であっても一度すみずみまできれいにしてみましょう。
換気扇内がきれいになることで異音の発生原因が無くなったり、異臭が緩和されたりして換気扇効率が向上する可能性もあります。掃除にはアルカリ性洗剤や重曹など、油汚れに適した洗剤を使用することでしつこい汚れを落とすことができます。あまりにも汚れがこびりついているときは、洗剤につけ置きすると汚れを落としやすくすることができます。
オイルを挿す
プロペラやファンの軸がオイル不足になっていることで引き起こされる異音は、オイルを挿して改善しましょう。換気扇に使用するオイルは、ホームセンターなどで購入することができます。塗りすぎたときには使用時に油が飛び散る可能性もありますので、使用する前にふき取っておきましょう。
ネジを締め直す
換気扇内にあるネジが緩んでいることにより異音が発生したり、異常に振動したりすることがあります。この場合はネジを締め直してあげることで改善することができます。むやみに分解することで故障につながることもあり、どのネジが緩んでいるのかを判断するのが難しいこともありますので、換気扇のプロへ依頼してみるのがよいでしょう。
トイレの換気扇・修理のポイント
トイレの換気扇を修理したいと考えている方に、一度確認してほしいポイントがあります。自力で交換・修理をしようとしている方が気を付けるべき「資格」について、施工の際に必要な道具について、業者へ依頼する際にぜひおこなってほしい相見積りについて紹介していきます。
交換・修理には「資格」がいる可能性が高い
換気扇を交換・修理する際に必要な資格は「電気工事士」の資格です。換気扇の種類によってはこの「電気工事士」の資格が必要な場合とそうでない場合があります。
その判断基準は換気扇がどこから電力を供給しているのかです。コンセントから電力を供給している換気扇の場合は、資格を持ってない人が交換しても問題ありません。しかし、導線で電力を供給している換気扇を交換する場合は「電気工事士」の資格が必要になります。
換気扇の多くは導線で電力を供給しているため、電気工事士の資格なしに交換することはできません。コンセントで電力を供給するタイプの換気扇だった場合は自力で交換することができます。
ライトを用意する必要がある
換気扇を交換するときには必ずブレーカーを落とさなければなりません。そうしなければ、万が一が起きたときに感電してしまう可能性があるからです。家全体のブレーカーを落とす必要はありませんが、トイレに電力がいかないようにブレーカーを落としておきましょう。
その場合、トイレの電気をつけることができません。窓があるとしても少し薄暗い中での作業になりますので、あらかじめライトを用意しておきましょう。ライトは光を上に向けて床に置いておけるタイプの懐中電灯やランタンなどが便利です。また、換気扇のある天井裏は非常に暗いため光源がしっかりと確保できるものがおすすめです。
業者に依頼をする時は相見積りがおすすめ
掃除やオイル挿しでは解決できず、自分で交換できないというときには業者へ修理・交換を依頼することになると思います。しかし、換気扇交換の相場がいくらくらいなのかわからないという方が多いでしょう。業者によっては通常よりも高い費用を提示するものもあるため、どの程度の金額が適切なのかを知っておくほうが安全です。
相場がわからない、というときには相見積りをしてみましょう。複数の業者で同じ条件を伝え、施工費用を見積りしてみます。そうしてさまざまな業者の見積り金額を見て、どの程度が適切なのか、自分の納得のいく金額はどの程度なのかを判断しましょう。
初めから1つの業者にしぼってしまうと、「思ったよりも費用のかかる業者だった」と後から後悔することになるかもしれません。一度相見積りをして施工費用を見定めてみましょう。
まとめ
換気扇の異変が何によるものなのか、当てはまるものはありましたか?換気扇の修理や交換は資格が必要になることもあり、注意が必要です。今一度以下のことを確認しておきましょう。
- 換気扇内の汚れによって異音、吸引力の低下、異臭が引き起こされることがある
- 内部の破損や劣化、電源が入らないといった場合は交換が必要
- 掃除だけでなくオイル挿しやネジ締めといったメンテナンスで解決する場合がある
- 自力で交換したいときは換気扇の電力供給方法を確認する
- 業者へ依頼するときは相見積りをして費用を見定める
以上のことに気を付けて、換気扇の修理・交換をおこないましょう。