換気扇とは、部屋の空気を入れ替えることで快適な暮らしができるように、また健康面でも役立っています。
その換気扇が「最近動きが悪い」「部屋の空気を吸いださない」「変な音がする」などいつもと違う不調が現れたらそれは故障かもしれません。長いこと使っていたり、使用頻度が高い場所や汚れやすい環境であれば、劣化スピードもあがり、通常の寿命よりも早く不具合が起きます。
換気扇が壊れて動かないと部屋の空気はよどむため、窓を開けるなど古典的な方法で空気の入れ替えをします。しかし雨の日や夜は窓を開けることはできないので、やはり換気扇がないと日常生活が困ってしまうでしょう。すぐになんとかしてほしいものです。
しかし、換気扇の交換を行うとなったとき、特に気になるのが費用でしょう。そこで今回は、費用のついて高額になるポイントや換気扇の交換時期について解説します。参考にしてみてください。
[目次]
換気扇の交換費用の相場はいくらなのか
換気扇を取り付ける経験がある人は少ないでしょう。新築を建てたときに換気扇設置も含まれますが、いろんな工事費用に紛れて覚えていないことがほとんどです。そのため、いざ換気扇が壊れて、新しく交換となってもおよその料金も見当がつかない方がほとんどでしょう。換気扇交換の費用について、どこで差がでるのかなどお伝えします。
換気扇のタイプによって金額が変わる
一般家庭にある換気扇は、主に「キッチン」「浴室」「トイレ」の3つです。まずそれぞれ換気扇の役割が違うため、大きさや種類が違います。
【キッチン】
いちばん高額になりがちなのがキッチンです。キッチンの換気扇のファンはプロペラファンとシロッコファンの2種のどちらかが使われています。プロペラ式からプロペラ式に交換するときは取り付けだけで済みますが、換気扇本体ごと交換をすると電気配線工事が必要となるため、部品交換よりもお値段はあがります。
またプロペラ式からシロッコ式に替えると、排気ダクトの設置場所も変わるため大きな改良工事が必要になるため、交換費用だけではなく工事代も上乗せされます。ファンの形状だけでいえばシロッコよりプロペラの方が安価です。
【浴室とトイレ】
この2箇所は交換費用にあまり差がありません。キッチンと同様、プロペラよりもシロッコも方が若干料金が上がります。プロペラが取り付け工事のみですが、シロッコは天井裏の配線やダクトの取り付け工事が必要になるため工事費用はかかります。
料金に差が出るポイントは、換気扇以外の機能がついているときです。たとえばトイレでは人感センサー付きだったりと換気扇以外と連動しているため修理交換費用が上がります。
場合によっては高額になる可能性も…
換気扇の交換費用には幅があります。数万円でおわることもあれば数十万となることもあります。これは工事内容が大きく関わってきます。複雑な工事がなければ、製品代や施工代など合わせても高額になることはありません。ではどんな状況になると料金が高くなるか、説明します。
・電気系統が故障している
換気扇は電気でつながっています。異音がする、スイッチの接触が悪いときは電気系統が原因な可能性があります。
・配線工事が発生する
もともとついている配線を利用しての交換なら工事も簡単ですみますが、新しく取り付ける場合や、思わぬ配線トラブルが見つかったときは大掛かりな工事になる可能性があります。
・古いダクトの劣化による交換
換気扇ダクトが腐食している、雨水が流れ出してるなど老朽化するとさまざまなトラブルにつながります。このようなダクトは新しく交換が必要です。
・換気扇の機種による工事
古い機種から新しい機種に交換すると、寸法規格が変わっていることがあります。埋め込み式では埋め込み穴を拡大する可能性もあります。
・換気扇の機能アップ
換気扇には便利な機能付きがあります。乾燥、暖房などこういったプラスの機能があると料金もあがります。既存の普通の換気扇より充実した機能付きの換気扇へ交換すると料金も高額にあります。
・スイッチをタイマー付に交換
換気扇の切り忘れ防止のため、ただのスイッチをタイマー付きに変更すると専用の配線をひくため工事が必要です。
換気扇を交換するタイミング
換気扇には寿命があります。使い方や使用頻度や使用する場所によって変わりますが、おおよそ8~10年です。この頃になると、全体的に劣化しトラブルになりやすくなります。
表面上には、問題なく動いているように見えても、実際は換気能力が落ちてくることでしょう。寿命過ぎている換気扇は交換や修理をおすすめしますが、寿命以外に交換するタイミングにはどのような症状がでるのかを紹介していきます。
異音・異臭がする
●ゴーとなる異音
このような重たい音がしたときはファンやプロペラに油汚れやホコリがつまっている可能性が高いです。汚れが蓄積されて、ファンやプロペラが重くなりうまく回転ができないのです。
●キュキュキュッとなる異音
換気扇は回転しやすいように軸に潤滑油が塗られています。このような乾いた音は、潤滑油不足によるものなのです。換気扇の使用頻度が高いほど、潤滑油も切れてしまいます。
●ジーとなる異音
サビが原因でこのような音がなることがあります。内部やモーターは、湿気が高い環境に長いことさらされると湿気や水滴でサビが発生します。
●カラカラとなる異音
これは軸がスレている音です。ズレる原因は、継続使用により軸が変形したり破損してしまうことです。
異音がすると「壊れた」と思いがちですが、掃除や簡単なメンテナンスで改善できることもあります。しかし、改善方法がなく交換をすることがいちばんよいケースもあるのでプロへ相談してみるとよいでしょう。
●異臭について
換気扇が停止しているときに臭うなら、換気扇に汚れが付着していることが原因かもしれません。動いているときに臭いが気になるなら、換気能力が落ちて室内の空気がうまく排出できていないことが考えられます。また、焦げくさい臭いならモーターや配線などが劣化により焼け付いている可能性もあります。
振動・音が大きくなってきている
振動ややけに響く、音のボリュームが大きくなったときの考えられる原因は
・カバーの裏側に結露の水が溜まっている
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があげられます。カバーを外して、掃除をしてしっかりカバーを取り付けても直らなければ寿命がきたのかもしれません。
電源を入れても起動しない
電源を入れても動かない原因は
・汚れている
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です。油やホコリで汚れていると、軸に負担がかかり故障となるので掃除をしてください。電気回線トラブルは、なんらかの不具合で電気が流れていないのでしょう。感電する危険もあるのでプロへ点検を頼むことをおすすめします。
部品の故障は、経年劣化も考えられます。内部の部品が故障なら部品だけの交換修理で終わりますが、経年劣化による全体的な損傷であれば思い切って交換が必要でしょう。
換気機能が低下して臭いがこもる
臭いがこもるようでは、本来の換気扇としての機能を果たしていません。フィルターやファンの汚れが原因ではないのなら、単純に経年劣化の可能性が高いです。機能低下は1年に10%ずつ落ちるともいわれています。寿命が8~10年なので、使用してそのくらい経つようなら交換時期だという証です。
最新の便利な換気扇機能
換気扇を交換する機会は、頻繁に訪れません。せっかく交換をするのなら使いやすく、便利な機能がついている商品にしてはいかがでしょうか。
衣類乾燥機能
雨が続く、外に干すと花粉がつくなど室内で洗濯物を乾かすときに便利なのが乾燥機能です。湿った洗濯物を室内に干していると、湿気がたまり、カビや結露の発生原因にもなります。そんな湿度もなくしてくれる効果もあり、生乾きの嫌な臭い予防にもなります。
また、せっかくおしゃれなリビングに洗濯物がたくさん干されていると台無しになってしまいます。雨の日でも干す場所がある場合や乾燥機を使用される場合は不要ですが、ない場合は機能がついている方をおすすめします。
暖房機能
冬に重宝する暖房機能です。寒い冬、裸になって浴室に入るのは勇気が入ります。しかし暖房機能がついていると、浴室も暖かくお風呂も快適に過ごせます。
また室温が上がれば湯船の温度も下がりにくいので追い炊きをする回数も減ります。高齢の方に心配なヒートショックも対策できるでしょう。※ヒートショック…温度の急激な変化で脈拍や血圧に負担がかあkり、心筋梗塞や脳卒中を起こすこと。
送風機能
冷房とは違って、温度を極端に下げることはしません。夏の暑い日や長風呂をするときは送風機能があると、ムシムシせずのぼせることもありません。また、浴室を使用した後に送風にしておくことで水滴を飛ばすこともできます。
まとめ
換気は、家族にも住まいにも必要です。新鮮な空気を取り入れ、汚れた空気を外に出すことで、体に有害な物質を追い出します。換気扇が故障すると、部屋の中にはホコリはたまり、湿度も上がり、住まいにとってもよくありません。
換気扇には寿命があり、劣化もします。程度によっては簡単な修理で終わりますが、時には大きな工事を必要になるため高額な出費にもなるでしょう。
交換時期のタイミングについてもお伝えしました。ご自宅の換気扇の調子が悪いと思った時は、今回の記事を参考にしてみてください。そして料金のこと、新しい機能のことについて専門のプロと相談をして、どんな換気扇が自分には必要かよく考えましょう。