「部屋にタバコなどのニオイが充満して不快」「トイレにニオイがこもる」など不快に感じて、換気扇を取り付けたいと思っている人もいることでしょう。
窓がなかったり、あっても開けることができなかったりするときに、換気扇があれば空気を入れ替えることもできます。このコラムでは、換気扇の後付けできる物件の紹介や換気扇の設置方法について紹介していきます。
部屋やトイレ、浴室に換気扇を設置したいと思っている人は、ぜひ参考にしてみてください。
換気扇の後付けはできる!しかし注意点も…
部屋やトイレの空気の入れ替えができなくて、換気扇を取り付けたいと考えている人もいるかと思います。しかし、取り付けるためには、まず自宅で換気扇の後付けが可能なのかどうか、確認しなければなりません。そこで、この章では換気扇の後付けが可能な住宅形態について説明をしていきます。
排気用の穴がない場合は穴を開ける必要がある
そもそも換気扇を設置するということは、外につながる排気口を家の壁に開ける必要があります。そうなってくると、持ち家はともかく借家の人には難しいケースがあります。
また、家のつくりによっては排気口を壁に開けるのが難しい場合もあります。あなたの家は、持ち家なのか借家なのか、排気口を開けられるつくりなのか、専門の業者に相談をしてみてください。
住宅の形態によって相談する先が異なる
換気扇を設置するのは、じつは簡単なことではありません。住宅の形や形態などにより、換気扇の設置を依頼する業者が変わってきます。そのため、あなたの家がどの形態にあたるのか、まず確認しなければなりません。以下で住宅形態と、その形態に合った相談先などについてご説明します。
- 木造住宅の場合
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- 相談先
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- 設計事務所
- 工務店
- 電気工事店
- 住宅設備店
- 改装専門業者
木造住宅の場合、換気扇の後付けをおこなう際は、設計事務所や工務店に相談しましょう。
- 工業化住宅の場合
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- 相談先
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- ハウスメーカー
新築の場合は、購入までのあいだに相談をしましょう。改築の場合は、ハウスメーカーなどに相談をすると、専門業者を紹介してくれることがあります。
- 分譲マンションの場合
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- 相談先
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- 管理会社
換気扇の増築などを個別に相談をしても、難しいケースが多いでしょう。後付けをしたいと思ったときは、まず管理会社に連絡をとりましょう。
- 賃貸住宅の場合
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- 相談先
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- 工務店
- 電気工事店
- 管理会社
- 家主
まずは、家主もしくは管理会社に相談する必要があります。家主の許可を得てから工事に取り掛からなければなりません。換気扇を取り付けたい理由によっては、家主や管理会社が設置してくれる場合もあります。取り付け許可を得られても、施工に関しては自分でやってほしいといわれた場合は、工務店や電気工事店に依頼しましょう。
【費用】換気扇の後付けにはどれくらいかかる?
以下の表は、壁に埋め込むタイプの換気扇を後付けした場合の費用相場です。下記の費用以外にも、業者によっては器具の運搬費や出張費がかかることもあります。換気扇の設置工事を依頼する前に確認をしておきましょう。
換気扇本体 | 15,000~50,000円 |
木枠 | 約2,500円 |
屋外フード | 約5,000円 |
作業費(取付代+コンセント設置代) | 約6,000円 |
【手順】自分で換気扇を設置する方法はあるのか
あなたの家がどういった形態なのか調べることができたり、賃貸住宅であっても家主の許可が取れたりしたときには、換気扇を自分で設置しようと考える人もいることでしょう。しかし、換気扇の設置は、率直に言ってしまうと、素人がやれるものではありません。ここから、各場所の換気扇の設置方法を説明していきますが、少しでも自分で設置するのは難しいと感じたら専門の業者へお願いをしましょう。
トイレ用換気扇
トイレの換気扇には3つの種類があります。それは、「壁付け用パイプファン」「シーリングファン」「シーリングファン(浴室換気乾燥暖房機連動タイプ)」です。そのなかでも、今回は、壁付け用パイプファンの設置方法について説明をしていきます。ほかの2種類とは違って、自分でやろうと思えば取り付けられるからです。
- 換気扇本体
- 換気扇ガラリ
- 塩ビパイプ
- 電源コード
- シリコンコーキング
- くぎ
- ホールソーもしくはディスクグラインダー
- 電動ドリル
- ドライバー
- カッター
- 脚立
- ビニールシート
- 換気扇を取り付けたい場所を決める。
- 取り付け場所が決まったら、その下にビニールシートを敷く。
- 換気扇を取り付ける位置に、ホールソーを使って穴を開ける。
- 内側の壁に穴が開いたら、断熱材をどける。
- 家の外に出て、外側の壁に5ミリ程度の小穴を開ける。
- 先ほど開けた小穴を元に、ホールソーを使って穴を開ける。このとき、外壁はかなり硬いので、ドリルを逆回転させて壁に傷を付けてから穴を開けていく。
- 電源コードを先ほど開けた穴から入れ、壁の中を通して既設のコンセントに接続する。
- 換気扇を固定させるために、木の支えを取り付けてクギを打って固定。
- 塩ビパイプを穴に入れて、シリコンコーキングで隙間を埋める。
- 穴に換気扇本体を取り付けてパチンとはまるまで押し込む。
以上が壁付け用パイプファンの設置手順になります。少しでも自力での作業に不安を感じた場合は、業者に依頼しましょう。換気扇の取り付けは大切な住宅に穴を開ける行為になります。作業に失敗した場合、簡単に取替えしがつくことではないからです。
浴室用換気扇
浴室用の換気扇は、2種類あります。「シロッコファン」と「プロペラファン」です。シロッコファンは、ダクトから湿気や空気を排出してくれる換気扇を指します。プロペラファンは、扇風機のような羽が回転することで、浴室内を換気する換気扇のことです。今回は、ダクトに設置するタイプの取り付け方について説明をしていきます。
- 換気扇本体
- アルミダクト
- シリコンコーキング
- 断熱材
- 防湿シート
- アルミテープ
- ドライバー各種
- ブレーカーを落としておく。
- 壁にダクト用の穴を開ける。
- 開けた穴にアルミダクトを通し、シリコンコーキングして隙間を埋める。
- アルミダクトの周りの壁に、断熱材を入れて防湿シートを張る。
- 換気扇の電源コードを電源コンセントとつなげる。
- 換気扇本体をダクトに取り付ける。
浴室に換気扇を取り付ける場合も、少しでも作業が難しいと感じたときは、自分でやるのはやめておきましょう。
部屋用換気扇
タバコや食べ物のニオイなどが気になる人も多いのではないでしょうか。部屋に換気扇を取り付けることで、効率的に部屋の中のニオイを素早く消すことができます。今回は、部屋へ換気扇を付ける方法について説明をしていくので、部屋のニオイが気になるという方はぜひ参考にしてみてください。
- 換気扇本体
- 材木
- ビス
- プラダン
- 屋外フード
- 延長コード
- ノコギリ
- 電動ドライバー
- マスキングテープ
- コーキング
- 換気扇を取り付ける穴を壁に開ける。
- 開けた穴の周りに木枠を作成して、ビスで止める。
- 家の外側にまわり、穴にプラダンをはめ込む。
- 換気扇本体をプラダンにはめ込み、木枠と一緒にビスで固定させる。
- 家の外側に屋外フードを取り付ける。
- 延長コードで電源を引いて、換気扇の電源コードをつなげる。
こちらも、工具の扱いに不慣れな方は、不用意に手を出さないようにしましょう。
換気扇を設置したいと思ったら業者に依頼するのが得策
換気扇を自分で後付けしたいと考えている人もいますよね。工具などの扱いになれている人であれば、換気扇の取り付けも自力でおこなえる場合があります。しかし、換気扇の設置には電気の配線を必要とする場合も多く、電気工事が必要となるため知識も経験もない人が手を出すのは大変危険です。
換気扇を設置したいと思ったら、不用意に自分で作業するのではなく、業者に依頼することをおすすめします。配線関連の電気工事も必要になるため、業者のなかでも電気工事士の資格を所持しているところに依頼すると、なおよいです。大切な建物に、正しく換気扇を設置するためにも、プロの業者にお任せしましょう。
費用を抑えて工事も不要!窓用換気扇もおすすめ
換気扇を付けたいけど、工事をすると時間と費用がかかるからそこまではしたくないと思っている人もいるのではないでしょうか。換気扇のなかには、窓用換気扇という、電気工事を必要としない手軽なものがあります。ここでは、窓用換気扇についてご紹介します。
窓用換気扇とは
窓に取り付けることのできる換気扇のことです。今まで紹介してきた換気扇は、壁に穴を開けてそこに換気扇を取り付けるものでしたが、窓用換気扇は窓に枠を取り付けて、そこに換気扇を付けるものになります。一般的な換気扇と比べて、手軽に取り付けることが可能です。
窓用換気扇の取り付け方
窓用換気扇はホームセンターなどに売られているので、あなたの家の窓にサイズが合うのか確認をしてから購入しましょう。窓用換気扇の取り付け方について説明をしていきます。
- 窓用換気扇セット
- ドライバー
- 窓の高さに合わせて、本体を調整する。
- 窓のサイズに合わせた本体を、窓のレールに乗せて窓にはめ込む。
- はめ込んだ本体を上下につっぱって、調整ねじで仮留めする。
- サッシと本体のつなぎ目に印を付ける。
- 仮留めしていた本体を取り外し、付けた印に合わせてパネルのサイズを調整する。
- サイズを調整したパネルを、本体に付ける。
- パネル付けた本体を、再び窓に取り付け、ネジを締めてしっかりと固定する。
窓用換気扇は、一般的な換気扇と違って、壁に穴を開けるようなこともないため、大切な建物を傷つけずに済みます。時間のある人は挑戦してみてもよいでしょう。
まとめ
部屋やトイレ・浴室など、ニオイや空気の滞留が気になって換気扇を取り付けたいと思ったとき、自分でDIYすることを考える人もいらっしゃるかと思います。しかし、換気扇の設置には電気工事をともなうことも多いので、初心者がおこなうのはおすすめできません。
さらに、持ち家ならともかく、賃貸や住宅だった場合は換気扇を後付けするのは難しい場合も多いでしょう。部屋やトイレ・浴室に換気扇を取り付けたいときは、プロの業者に一度相談してみることをおすすめします。あなたの家に合ったプランを提案してくれるはずです。