トイレやお風呂、キッチンなどによく設置されている換気扇。みなさんはどのような使い方をしていますか?
「入浴後の数時間だけ回す」「料理中だけ回す」など、換気扇を回したり止めたりするという方が多いでしょうか。換気扇をずっとつけっぱなしにしているという方は少数派かもしれません。
しかし、じつは換気扇を常に稼働させておくとさまざまなメリットがあるのです。そうはいっても、どのくらい電気代がかかるかが気になって、つけっぱなしにするのは不安だという方もいらっしゃるでしょう。
そこで今回は、換気扇を回しっぱなしにするメリットと電気代について中心に、ご紹介していきます。
少しでも節約したい電気代。換気扇にかかる料金は?
換気扇をつけっぱなしにするとしたら、一番気になるのは電気代の問題ではないでしょうか。換気扇を常につけておくことに、たとえどんなにメリットがあったとしても、電気代が何千円と上がるのならためらってしまいますよね。
それでは、換気扇をつけっぱなしにしたときにかかる月々の電気代はいったいどれくらいなのでしょうか。以下にそれぞれの換気扇と電気代について簡単にまとめましたので、目をとおしてみてください。
- トイレの換気扇
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消費電力が約3Wで、回しっぱなしにしても電気代は月々数十円程度でしょう。
- お風呂の換気扇
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消費電力が約20Wで、回しっぱなしにしたときの電気代は1か月数十円から500円におさまるくらいでしょう。
- キッチンの換気扇
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レンジフードファンは比較的消費電力が大きく、「弱」の運転で約30Wほどです。それでも、換気扇の性能などによっては月々数十円、高くても数百円の電気代でおさまるくらいでしょう。
換気扇の種類や新しさなどにもよりますが、24時間つけっぱなしにしたときの電気代はひとつの換気扇あたり数十円から数百円くらいといえます。
もちろん設置されている換気扇の性能などによって金額は変動しますし、地域や契約プランによっても電気料金に差があるので、一概にこの値段といい切ることはできません。
しかし、あくまでひとつの例ではありますが、トイレとお風呂とキッチンの3か所に換気扇があったとすると、電気代は少し多めに見積もってだいたい千円と少しあれば足りる計算です。いかがでしょう。月々千円強という換気扇の電気代を見てどう思われましたか?
高いと感じた方、意外と安いと感じた方、さまざまいらっしゃると思います。この換気扇の電気代が高いか安いかは、換気扇を常時回しておくことのメリットと、つり合うかどうかで判断してみてはいかがでしょうか。
気になる換気扇の電気代をご説明したところで、次は換気扇を回しっぱなしにしておくメリットについて述べていきます。
換気扇を24時間つけっぱなしにすると得られるメリット
それでは早速、換気扇を常時つけっぱなしにしておくことで得られるメリットを、3つご紹介していきます。
嫌なニオイを逃がす
換気扇を回しておくと嫌なニオイを逃がすことができます。とくに、マンションなどの集合住宅は窓の数が一戸建て住宅と比べるとどうしても少なくなりがちです。単身者向けの賃貸のお部屋ではトイレやお風呂、キッチンなどに窓がないことも珍しくありません。
窓がたくさんある一戸建て住宅でも、1日中開けっぱなしにしておくことは難しいでしょう。しかし一戸建て・集合住宅を問わず、換気扇をつけっぱなしにしておくことで常に空気の入れ替えをおこなうことが可能です。
花粉やカビなどアレルギー対策
換気の重要な役割は、ニオイを追い出すことだけではありません。換気が不十分だと花粉やカビなどの発生につながり、健康にも影響を及ぼすおそれもあるのです。
このほかにも、換気扇を回しっぱなしにしておくことで、結露や黄砂、PM2.5、シックハウス症候群などの対策にもなります。
家の「長持ち」にも効果アリ
常時換気をすることで、たばこなどのニオイがしみ付いてしまうことや、結露・カビの発生を防ぐ効果が期待できます。
そしてそれは、家の寿命をのばすことにつながります。月々数千円の電気代が大切な家を長持ちさせることにつながるのだとしたら、換気扇の稼働にかかる月々の電気代は安いものですよね。
以上が換気扇をつけっぱなしにすることで得られる、おもなメリットです。電気代のマイナスポイントを上回る、嬉しい効果があるのではないでしょうか。
換気扇の効果をグッと高める方法
せっかく換気扇を24時間稼働させるなら、そのメリットを最大限に得たいところですよね。そこで、より効果的に換気扇を使用するために気をつけたいポイントも、ご紹介していきます。換気扇による換気効果を高めるために、以下のポイントを気にしてみてください。
換気扇のある部屋のドアと窓は全部閉める
換気扇を回すスペースは、窓を閉めるなど密室にしておくことでより換気の効果が高まります。しかし、お風呂などではとくに、換気扇を回しながら窓やドアを開けておくという方も多くいらっしゃるのではないでしょうか。
換気扇の効果を高めるためにもこれを機に、換気扇を回しているスペースは窓やドアを閉めておくように気をつけましょう。
月に1度の掃除をする
換気扇の本来の性能を発揮させるために、お手入れはきちんとおこないましょう。フィルターの掃除は月に1回ほど、本体を取り外しておこなう大がかりな掃除は、年に1回ほどおこなうように心がけましょう。
劣化した換気扇のつけっぱなしは思わぬ危険の可能性が
これまでは、換気扇を常時つけておくメリットについてご紹介してきました。しかし、換気扇は使いかたを間違えると、危険な事故に発展してしまうケースもあるので注意が必要です。
たとえば、長年の使用により劣化した換気扇やあまり掃除をしていない換気扇を使い続けたことで火災になってしまった、ということが実際に起きています。しかしこれは換気扇をつけっぱなしにすることが危ないというよりは、メンテナンスの問題といえるでしょう。
換気扇の掃除をあまりしていないという方、同じ換気扇を長期間(目安としては10年以上)使い続けているという方は、メンテナンスや交換を考えてみてください。安全に換気扇を使うために気をつけたいことを以下にまとめたので、ぜひ参考にしてみてください。
「故障かな?」と思ったら早めに修理・交換を
換気扇を回したらいつもとは違う変な音がする、ガタガタと激しく振動している、ファンの回転が不規則である、焦げくさいニオイがするなどの異常に気付いたら、換気扇の使用は避けたほうがよいでしょう。早めに修理や交換をおこなってください。
汚れが原因で換気扇で火災が起こる事例もある
換気扇にたまった汚れが原因で、火災が起きたケースが実際にあります。面倒くさいかもしれませんが、安全のためにも換気扇の定期的な掃除を欠かさないようにしましょう。
まとめ
換気扇をつけっぱなしにしておくと、これまでより電気代が上がってしまうことにはなります。しかし、ニオイ対策や花粉・カビ対策、家のメンテナンスにもつながるなど、さまざまなメリットもあります。
健康や快適な生活のため、できれば換気扇は24時間常に回しておくことをおすすめします。換気扇の換気効果をより高めるために、気をつけたいポイントについてもご紹介したので、合わせて参考にしてみてください。
しかし、古い換気扇やメンテナンス不足の換気扇を使うことで、火災など思わぬ事故やトラブルが起きてしまうおそれもあります。換気扇の修理・交換・メンテナンスはしっかりおこなうようにしましょう。