「換気扇のつけっぱなしが火事の原因になるってほんとう?」と疑問に感じていませんか。お風呂場やトイレなどの換気扇は24時間つけっぱなしにしているご家庭も多いでしょう。
しかし結論からいえば、ただ換気扇を回しているだけではまず、火災は発生しません。換気扇から火が上がっても、それはつけっぱなしが原因ではなく、ほんとうの理由は製品不良や経年劣化による可能性が高いでしょう。
この記事では換気扇から火が上がってしまう理由を解説し、万が一にも火災などの事故が起こらないように予防策をご紹介していきます。自分の換気扇に問題があるかどうかチェックしてみてください。
換気扇のつけっぱなしで火事になった事例件数
「そもそも換気扇から火が上がることが理解できない、どういうこと?」と半信半疑な方もいるかもしれません。しかし、ほんとうに換気扇から火が出て火災事故になった事例は複数件あるのです。ここでは換気扇が原因となった過去の事故件数・事例をご紹介します。
すこし古いデータになりますが、独立行政法人である製品評価技術基盤機構が(nite)が換気扇の製品事故についてとりまとめたものがあります。そのなかで、平成16年から20年の5年間に換気扇による事故が62件報告されています。換気扇からの火災によって建物が損害したケースは24件あり、そのうち2件は建物全焼に至るほどの重大事故になりました。
火災の原因は主に2つあり、「製品起因によるもの」と「経年劣化」に分けられます。事故の現象としては「発火・発煙・焼損」があります。事故事例は、換気扇の本体から火・煙が発生し、建物の壁や家具が燃えたり、換気扇が部分的に破損したり、換気扇全体が故障したりするケースが報告されています。
換気扇による事故は、5年以内であると製品の初期不良によるものが多く、それ以外は製品を使い続けることによる経年劣化による事故が増加します。特に換気扇を30年以上使い続けると事故につながるケースが多いようです。
上記のデータから、換気扇による事故は1年に12件、1カ月にすると1回の頻度で起こっていることがわかります。火災事故は、換気扇の製品起因による問題や長く使い続けることによる経年劣化によるものが多いです。では、なぜ火を使用しない換気扇から発火するのでしょうか。次は、換気扇火事の原因についてくわしくみていきましょう。
換気扇火事の原因は大きく分けて2つ
換気扇は、屋内の換気をよくして空気環境を整えてくれる役割を担っています。そのような換気扇からなぜ発火するのでしょうか。ここでは換気扇火事の2つの原因について解説していきます。
換気扇火事の原因その1:グロー現象
コンセントの接続不良が原因で発火する現象のことをグロー現象と呼びます。コンセントの接続に緩みがあると、電流が切れたり流れたりを繰り返し、熱を発生させます。電流が断続して熱を持つと、接続部に亜酸化銅(Cu2O)という、少しの電流を流すだけで高熱を発生させることのできる化学物質が生まれるのです。亜酸化銅が真っ赤に熱されることにより、周囲にある燃えやすいものに発火してしまうのです。
換気扇火事の原因その2:トラッキング現象
トラッキング現象とは、コンセントの隙間溜まった埃に湿気が加わることで電流が流れやすくなり、プラグがショートし発火する現象のことをいいます。換気扇は、キッチンやお風呂場などの湿気が多い場所に設置されています。プラグから発火しないように、埃が溜まっていないか、こまめにチェックするように気をつけましょう。
グロー現象やトラッキング現象は、日ごろからこまめに点検や掃除をしていれば防ぐことができます。しかし換気扇は24時間つけっぱなしにしていることも多いですよね。換気扇のコンセントやプラグ部分までチェックすることも忘れがちです。
正常な換気扇を使用していれば、つけっぱなしにして火事につながることはほとんどありません。電気代がかかるデメリットがありますが、カビ予防や室内の空気を新鮮な状態に保てるなどのメリットもあり、火事が起こる可能性を低くすることができます。しかし、換気扇の製品不良や経年劣化で異常を察知したときには注意が必要です。
それでは次は、具体的に換気扇の状態がどうなっていれば問題がないのか、どうなっていたら危険な状態なのかについて確認していきましょう。
あなたの換気扇は大丈夫?火事の予防策
換気扇の長期使用によって火災が発生するリスクが増えると聞くと、「自分の換気扇は大丈夫かな?」と心配になりますよね。ここでは換気扇が故障したときの特徴をお伝えします。換気扇火事が起こりやすくなっている換気扇の状態を知って、事故を未然防止しましょう。
- 換気扇のファンが動かなくなった
- 換気扇が途中で止まることがある
- 換気扇から普段聞いたことのない異音がする
- 電源コードが折れ曲がり、触ると換気扇が止まる
換気扇に以上の4つの特徴があると、換気扇火事が発生しやすい状態になっているおそれがあります。換気扇の耐用年数は10~15年ほどなので、それ以上使用していて換気扇に不具合が生じた場合は、換気扇を交換するタイミングです。換気扇を購入して間もないトラブルは、製造不良が原因の場合もあるので、メーカーに問い合わせるようにしましょう。
換気扇火事を起こさないための予防策
「自分の換気扇の状況と火事を起こさない予防策がわかった、経年劣化で交換が必要かもしれない。どうしよう……」と不安になった方もいるのではないでしょうか。換気扇火事を起こさないための予防法について知り、ぜひ役立ててみてください。
換気扇火事を起こさないためには以下の3つのことについて、普段から意識するようにしましょう。
- こまめに掃除をする
- 近くに燃えやすいものを置かない
- 異変を感じたときは使用をやめる
換気扇に埃や汚れが溜まっている場合、モーターに負荷がかかり、換気扇の寿命がはやまってしまいます。ご家庭にある換気扇のタイプはそれぞれ違うので、自分で換気扇の掃除をするさいは、取扱説明書などでお手入れ方法を確認してからおこなうようにしましょう。
換気扇を長年放置していて、ベトベトで手がつけられない、お手入れ方法がわからないという場合は、換気扇の掃除をプロに任せることができます。プロに換気扇の掃除を依頼すれば、掃除の手間が省け、キレイな状態の換気扇を取り戻せます。
10~15年以上、換気扇を使い続けていて異常を感じる場合は、修理・交換のタイミングです。換気扇の状態によっては、修理よりも交換したほうが、費用を抑えられる可能性もあるので、わからないことがあればプロに相談してみてください。換気扇火事から命や建物を守るためには、なるべくはやく手を打つことが肝心です。
換気扇の交換をしたいときはどうすればいいの?
ご自宅の換気扇の交換が必要かもしれないとなった場合、費用を抑えるためにも、自分で交換できればと考えてはいませんか。はたして、換気扇は自分でも交換できるのでしょうか。
換気扇の交換は自分でできる?
結論からいうと、換気扇の種類によっては自分で交換可能です。しかし、賃貸だと住居を立ち退くさいに原状回復の問題があるので、作業をする前に管理会社に交換してもいいか確認をとることが必要となります。
また、普段からDIYの作業に慣れていない人にとっては、交換できたとしてもしっかりと固定できなかったり途中でわからなくなったりして、結局、業者に換気扇の設置を依頼することにもなり兼ねません。
換気扇の掃除についてですが、プロペラタイプの換気扇に比べると、レンジフードタイプの換気扇は、フィルターがついているので内側は汚れにくくなっています。普段は、フィルターの掃除だけの方も多いでしょう。
しかしいざ内側まで自分で掃除しようとなると、じつは取り外さないといけない部品が多かったり、プロペラの羽根の数が多かったりと根気がいる作業なので大変です。
「自分で掃除・交換するのは面倒……、自分で掃除・交換して壊しちゃったら嫌だな」という場合は、プロに換気扇を交換・掃除してもらうこともできます。プロなら安全・正確に換気扇を設置してくれます。また、自分では手の届かない細部まで、専用の洗剤や道具を使ってきれいに仕上げてもらえるので便利です。
業者に頼むときのポイント
プロに掃除・修理・交換を頼むとなると、どういうことに気をつければよいのでしょう。ここでは業者に依頼するときのポイントをわかりやすくお伝えします。
まずは、無料で換気扇を交換できるところをあたってみることです。賃貸にお住いの方なら管理会社、新築にお住まいの方ならハウスメーカーに相談してみましょう。保証期間内の換気扇の故障なら無料となります。保証期間外の古い換気扇なら、ネットで換気扇交換業者を比較するのがおすすめです。
換気扇110番なら、明朗会計に力を入れています。無料で見積りができ、わかりやすい料金体系となっていますので安心してご利用ください。もちろん、見積りだけとって他社と比較していただいても結構です。
まとめ
換気扇から発火して火事につながるということはあまり想像できないですが、実際に事故につながった事例もありました。「うちの換気扇はまだ大丈夫……!」と思っていても、いつもと違う音がする、プロペラの動きが不規則など、ちょっとした異常を感じる場合は、放置しないようにしましょう。
換気扇火事が起こるタイミングは予期することができないので、事前に「予防する」ことが最も大切です。わからないことがあれば、プロに相談してみるとよいでしょう。換気扇110番では24時間365日で電話での無料相談を受け付けています。お気軽にお問い合わせください。