キッチンの換気扇がレンジフードというところも多いのではないでしょうか。レンジフードのファンの中で最も多いのが、シロッコファンと呼ばれる、カタツムリの殻のような形をしたものです。
昔からあるプロペラタイプのものとくらべてメンテナンスや掃除が少し大変ですが、メリットも大きいことから近年大きく普及したと言われています。
今回は、シロッコファンにスポットを当ててみました。キッチンだけではなく、マンションなどのトイレや浴室、脱衣場にある換気扇にも実はシロッコファンが多いのです。
シロッコファンの特徴から、掃除の仕方を細かく見ていきます。シロッコファンのメンテナンスに是非、お役立てください!
シロッコファンとは?
形は想像がつくと思います。最初に説明した通り、カタツムリの殻のような形で中央に板状の羽根がついています。現在レンジフードの多くはこのシロッコファンが取り付けられています。
昔からよく見るプロペラタイプのファンと何が違うのでしょうか?
プロペラファンはご存知の通り、集めた煙や空気をそのまま外に排出します。外壁に面しているところに取り付けられていますよね。たまに風が強いと電源を入れていないのにプロペラが回っているのを見たことがある方もいると思います。
この仕組みから想像できるように、プロペラタイプは近年増加している集合住宅には向いていません。そこで開発されたのがシロッコファンで、こちらは集めた煙や空気を、ダクトを通して排出することができます。そのため、マンションやアパートなどに向いており、プロペラファンのように外壁に面していなくても設置が可能なのです。
また、プロペラファンと違い、レンジフードに覆われているので少し洗練された雰囲気もありますよね。騒音も少ないと言われています。
シロッコファンのメンテンスの大切さ
シロッコファンだけに限りませんが、汚れたままだったり、不具合が生じているのに放置しているとトラブルが起こります。換気扇は基本的に毎日使用するものですし、壊れて使えなくなることは一番避けたい事態です。
▼吸引効果が弱まる
想像できることのひとつだと思いますが、シロッコファンの汚れをそのままにしておくと吸引効果が弱まります。大切な住宅に臭いが染み付いたり、壁に油汚れが染み付いたりと、良いことは何もありません。
また、結露がたまり、住宅の劣化スピードが早まる、カビの繁殖などで健康被害の可能性があるなどの最悪な事態も招きかねません。住宅やわたしたちの生活に、換気扇はそれほど重要なものなのです。
▼ファンが故障する
最悪、2度と使用できなくなることもあります。換気扇の汚れはほとんど油汚れ。みなさん、年末の換気扇掃除の時に苦労することもあると思います。油汚れは重くて頑固です。放っておくと回らなくなり、最悪中で破損するようなことがあれば他の部品に影響が出て、修理も不可な状態になる可能性もあります。
不調や故障を放っておくことが良くないのは、レンジフードだけに限りませんが、レンジフードなどの換気扇はわたしたちの生活、健康に大きな影響を与えます。
シロッコファンの掃除方法
では実際にシロッコファンのお掃除をしてみましょう。年に1回の大掃除だけ……とは言わず、定期的にメンテナンスをして故障や不具合を防ぎましょう。
換気扇の掃除は、年末にやるという方も多いと思いますが、実はあたたかい時期にやるのがベターと言われています。冬の寒い時期だと、たしかに油汚れが暑い時期より頑固になっているイメージがあります。本格的に夏がはじまる今がチャンスかもしれません!
掃除するにあたって、ゴム手袋や洗剤など、必要なものを揃えておきましょう。素手でも行えますが、内部の部品などで手を切ったり、こびりついた油汚れがなかなか取れなかったりしますのであると便利です。
高所作業になる場合が多いので、足元にも気を付けましょう。滑らせないように十分注意をして行ってくださいね。
①シロッコファンを外す
まず、フィルターと屋根のネジを外します。
シロッコファンの中心にネジがあると思うので、ネジを緩めて取り外します。捨てても良い布巾などをかぶせて回しましょう。あまり固いようなら無理はしないでください。油汚れが頑固だと、取り外せない場合があります。
ネジが外れたら、羽根を外します。
②シロッコファンを掃除する
シンクやキッチン台に新聞紙やチラシなどを広げて、中に溜まっている汚れをヘラなどでかき出します。シロッコファンの汚れをそぎ取る専用のヘラやグッズも売っているようなので、必要ならそれらも利用しましょう。
そのあと羽根の油汚れをスポンジなどでとっていきます。市販されている油に強いアルカリ性洗剤や専用の洗剤を使用しても良いですが、重曹などを混ぜたお湯や水につけ置きしておくやり方も有効です。
小麦粉を使用されてお掃除される方もいらっしゃるようです。小麦粉のグルテンが油汚れを吸収し、汚れを落ちやすくする効果があります。
シロッコファンは細かい隙間が多いので、プロペラタイプのものより掃除が大変と言われていますが、隙間の油汚れには古い歯ブラシなどを使用して対抗してください。
ものによっては重曹水のつけ置きが不可というものもあるので、取り扱い説明書をよく読んで、対応してくださいね。
③仕上げ
細かい汚れも取れたら、最後は綺麗に水洗いをして、よく拭き取って完了です。間違いのないように取り付けを行ってください。
自分にできないところはプロにまかせてみよう
シロッコファンの掃除で大変なので取り外しだと言われています。特に長らくシロッコファンの掃除をサボっていた方は要注意。
掃除の前に外れない、という事態になる可能性は非常に高いです。
ネジ自体が固くなっている場合もありますが、こびりついた油汚れで外れない……というケースもあります。長い間換気扇のメンテナンスを行っていなかった、高いところにあった取り外し自体が大変という方や、シロッコファンだけではなく、レンジフード全体の掃除も行いたい場合はプロにおまかせするのがおすすめです。
また最近のレンジフードは多機能故、内部構造も複雑です。プロにおまかせした方が良い部分や部品もありますので、よく確認してください。
経年劣化もありますが、レンジフードや、レンジフードのシロッコファンはメンテナンスや掃除をしっかりすることで劣化スピードを緩めることもできます。1度プロにお願いすれば、そのあとのこまめなメンテナンスや掃除も楽になります。
まとめ
いかがでしたか?
近年多いレンジフードのシロッコファン。毎年エアコンの掃除と同じく、換気扇のファン掃除を憂鬱だなと感じている方も多いのではないでしょうか。頑固な油汚れとの格闘は大変ですが、掃除とメンテナンスを怠ると大きなトラブルが起こり、不便さも強いられますので、しっかり行いましょう。
定期的なメンテナンスと掃除が、シロッコファンおよび、レンジフードのトラブルを防ぐ第一歩です。